映像美、演出、アクション共に
前作、前々作同様にハイレベルの作品で
最高の完結編でした。
前作がエロ・グロ・闇落ちと
主人公とヒロインが結ばれる話にしては
どんどん暗い方向へと話が進んでいったのに対し、
今回は最初から最後まで一貫して
「救う」っていうことを目指して頑張る
前向きなお話だったと思います。
以下、キャラクターの感想
・衛宮士郎
「お疲れ様。」本当にその言葉を送りたい主人公。
やはり対バーサーカー戦における覚醒シーンは
やはり何度見てもカッコいいです。
「是・射殺す百頭(ナインライブズ・ブレイドワークス)」を映像で見れる日が来るなんて…
(Vita版のOPで使ってましたが)
そして一瞬の登場ですべてを持っていく
アーチャーさんがカッコよすぎる…
本来人類すべてを守るために行使する守護者の力を
たった一人を守るために使っているあたりも燃えポイントです。
ここら辺は後のプリズマイリヤドライにおける
美遊兄士郎のひな型になった部分なんでしょうね。
UBWが
"自分を乗り越える"ルートなのだとしたら
HFは
"自分を救う"までのルートなんだと思う。
終盤のとあるシーンで声をひねり出すかのように言った
"士郎の本音"はこれまでの彼を知っていればいるほど感動できる内容で
「言えたじゃねぇか…」って思う視聴者も多かったのでは?
これは10年前の火災で壊れた一人の少年が
もう一度人としての道を歩みだすまでのお話だったのかもしれない。
桜ルートがトゥルールートである由縁はおそらくそこで
「士郎がロボットから人間に戻る」っていう話を
最後に持ってきたかったんだと思うな。
・間桐桜
今回は8割ぐらい闇落ちしてた我らがメインヒロイン。
ただ、闇落ちしようが何しようが
根本的に間桐桜っていう部分は変わってなかったと思う。
"精神的被害者が強大な力を得てしまって
加害者側になったはいいけど、結局のところ
力の使い道を解っていなかった"っていう風に見えました。
今回はそんな被害者であり加害者でもあった
間桐桜をどのように救っていくのか?っていう部分が重要で、
「悪いことをした奴は死んでしまえ」ていう話ではなく
「悪いことをしたんだからそれを受け入れて生きて行け」っていうお話。
"正義の味方"ではなく"桜の味方"を選んだ士郎だからこそ
出した答えだろうし、桜としてもどんな形であれ
士郎がそばにいるのだとしたらもう間違えたりはしないと思う。
この作品は士郎が「生きたい」と願う作品であると同時に
桜が
「幸せです」と言うまでの作品でした。
今回は士郎とのイチャイチャシーンは少な目でしたが
ラストの桜並木で共に歩む二人の晴れやかな門出を
観れただけで十分でした。末永くお幸せに!
・イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
本作のもう一人のヒロインであり
Heaven's Feelにおける影の主人公。
とにかく出てくるシーンのすべてで
イリヤがめっちゃ可愛い作品でした。
それでいてちゃんと
「お姉ちゃん」してる所が良い。
そもそも士郎との本来の関係は"血の繋がらない義理の姉"なんですが、
イリヤの姉成分が一番よく表れていたのが
Heaven's Feelルートなんですよね。
「お姉ちゃんだから弟を守らないと」
のところは士郎の心の叫びも合わさって
ガチで泣いたシーンでした。
・遠坂凛
今回も
修羅場発生装置となっていた我らが赤い悪魔。
一番の目玉は桜との姉妹対決なんですが、
方や第二魔法、もう方や第三魔法を使ってるわけですから
天国のお父さんもさぞ鼻が高かっただろうな…
宝石剣ゼルレッチの圧倒的な威力は
映像化されたことで更によくわかる内容となっていました。
そういえば凛ちゃんさんは別の作品でゼルレッチ産の
魔法のステッキを使用することになるんだよね…
(一方的に契約を破棄されたけど)
まぁそれでも桜にとどめを刺せないあたりが
実に凛ちゃんさんらしいですよね。
エピローグのやり取りみてるだけでも
基本的には仲の良い遠坂姉妹である
・ライダー
終始士郎たちの味方となってくれたサーヴァント。
今回唯一のサーヴァント戦であるセイバーオルタとの闘いは
ハイスピード&ハイクオリティな内容でした。
石化の魔眼『キュベレイ』を駆使して圧倒的性能差を埋めつつ
空気抵抗を減らした無駄のない動きで
ライダーキックを連発するシーンは非常に迫力がありました。
勝敗を分けたのが
"士郎との信頼関係"だったっていうのが
セイバーに対する最大の皮肉で、
やはりマスターあってのサーヴァントっていうことを
きちんと表わす形での勝利でした。
・セイバーオルタ
今回も今回とて悪役だったのですが
敵としての脅威はラスボス級でした。
あれだけバンバン魔力放出しまくって
あの大空洞は良く持ちこたえたよな…
最後の台詞はちょっと切なかったけど
このルートではどうあがいてもセイバーは救えないからね。
「誰かの味方をするってことは誰かの味方をしないってことなんだ」っていう切嗣のセリフを思い出しました。
・言峰 綺礼
ある意味ヒロインたちよりも目立ってた真のラスボス。
まさかここで言峰が士郎の味方になるとか
原作やった時も少し驚きましたね。
しかも
滅茶苦茶強いし。やっぱ麻婆食ってるやつは違うわ。
最後は士郎の最後の敵として立ちふさがってきたわけですけど
英霊どうしの戦い、魔術どうしの殺し合い、という
聖杯戦争の終結が
「ただの殴り合い」になるあたりが面白い。
言峰と士郎は「宿敵」と言えるほど因縁は深くもなく、
「ライバル」と言えるほど近くもないが、
ただ「異常者」という点においては似た者同士でした。
だから衛宮士郎の最期の相手が言峰だったのはある意味納得です。
アーチャーとは違った意味で「超えるべき相手」なんだよね。
その他、ゼルレッチと始まりの御三家の出番が意外と多かったり、
エピローグでちらっと橙子さんが映ってたのも良かった。

終わってみるとHeaven's Feelはサーヴァントよりも
人間(魔術師)の物語だったと思います。
Fateシリーズは個性豊かなサーヴァントが
売りとなっているシリーズなのは確かで、
FGOなんかはその最たる例となっています。
しかしその根っこにあるのはやはり
"今を生きる人間"なんですよね。
過去の影法師である英霊は前には進めないが
今を生きる人間には未来を掴むことができる。
それはFateシリーズにおける共通のテーマなんだと思います。
士郎と桜がいかにして現在を受け入れて
未来に進んでいくのか。
その答えが示されるのがこの物語でした。
同時についに完結したFate/stay night。
DEEN版から数えたら約15年かけて
ようやく
すべてのルートが映像化されたことになりますね。
本当に…ありがとうございました。
素晴らしい映画でした。【関連記事】
・劇場版「Fate/stay night Heaven's Feel」第1章感想・劇場版「Fate/stay night Heaven's Feel」第2章「lost butterfly」感想
火曜日中に感想をアップする予定でしたが、気づいたら水曜日になっていました。
- 関連記事
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自暴自棄になって無理して悪役やってる感はありましたね
>結局のところ
力の使い道を解っていなかったっていう風に見えました。
蟲ジジイを始末した後、これからどうしたらいいかわからなくなって混乱するなど、
ずっと力に焦がれてたモノの実際に力を得たら『姉さんを見返す』と『お爺さまに復讐する』くらいしか使い道を思いつかなかったんですね
元より士郎に「何がしたいか?」と聞かれたら「お花見に行きたい」って答えるくらい素朴な日常に憧れてたのが本来の桜ですし
「自分を助けてくれなかった世界への漠然とした恨み」も語ってましたけど、それこそ本人にとってオマケ程度の悪感情でしょうし(実際、慎二に襲われるまで自覚すらしてなかった)
>「悪いことをした奴は死んでしまえ」ていう話ではなく
「悪いことをしたんだからそれを受け入れて生きて行け」っていうお話。
まあ、黒くなる前の罪(一般人殺し)に関しては9割以上が蟲ジジイとアンリマユの影の仕業で、桜は夢遊病に近い状態でしたし
慎二を殺害したのも襲ってきたのは慎二の方の上に実際に手を下したのは桜の悪意に反応したアンリマユの影だし
情状酌量の余地があると思いますけどね
アンリマユと同化して黒桜になった後はアンリマユの影響で悪感情を増幅されてるとはいえ
その悪感情は桜自身のモノで意識もハッキリしてたから、かなりの割合で桜が背負うべき罪です
ただ冷静に見ると黒桜の被害に遭ったのは、士郎、凛、イリヤ、セイバー、ライダー、蟲ジジイ、真アサシン、言峰で、後半の連中は因果応報って感じですね
まあ、責任感が強く自罰的な桜は、全ての罪を背負ってますが
そして法律などで裁かれないからこそ一生罪の意識が消えない、それが罰ってのは空の境界の浅上藤乃と同じですね
藤乃は桜の現型キャラですし
>方や第二魔法、もう方や第三魔法を使ってるわけですから
天国のお父さんもさぞ鼻が高かっただろうな…
第二魔法が実現したのは時臣が大嫌いな魔術師殺しの息子のおかげですけどねw
>宝石剣ゼルレッチの圧倒的な威力は
映像化されたことで更によくわかる内容となっていました。
ちなみに平行世界から無限の魔力を供給するとはいえ、一度に使用できる魔力は使い手次第なので、希代の天才魔術師の凛が使ったからこそ、あの威力でもあります
なお使用する度に反動で筋肉繊維にダメージを受けてますが、顔に出さない凛のド根性
>勝敗を分けたのが"士郎との信頼関係"だったっていうのが
セイバーに対する最大の皮肉
ライダーさんは天然でかなりの煽り上手
さすがあの姉様たちに挟まれて生きてきただけある
>あれだけバンバン魔力放出しまくって
あの大空洞は良く持ちこたえたよな…
なお後の凛の宝石剣での大暴れと聖杯が閉じた余波で、さすがに大崩壊した模様
一成くんは入院してる間に家の土台が崩壊してしまったのです
>しかも滅茶苦茶強いし。
アーチャーの腕の影響を受けてる士郎と同等か、それ以上の身体能力
(具体的にはイリヤを抱えたまま森の中を時速50キロで息も切らさずに走る)
さらに真っ向からの戦闘が専門ではないとはいえサーヴァントである真アサシン相手に渡り合う戦闘技術
これで全盛期を過ぎてるんだから恐ろしい
切嗣もアヴァロンの加護があったとはいえ、よくこんな化け物と渡り合えたもんです
なおシエル先輩はもっと強く、全盛期の言峰が無数の令呪を得て、なおかつ切嗣と戦った時くらい気合いを入れて、やっと互角
さすが真祖の姫君の喧嘩友達(?)
>ただ「異常者」という点においては似た者同士でした。
切嗣と言峰が「同類に見えて実際は真逆」なら、
士郎と言峰は「同類だけど方向性が真逆」なんですよね
だから言峰は、切嗣を憎悪し、士郎が羨ましい
言峰も可能なら「普通の形で妻を愛したかった」のだと思うと切ないですね
怒涛の連続死闘は勿論、今作の軸となる姉妹・姉弟の絆をキチンと描写もされていて「よくぞここまで…」と圧巻な2時間でした。
>衛宮士郎
やはりHFの腕士郎はアーチャーも士郎もカッコよくて燃える展開、最後に心を得たロボット(人形)として戻ってこれたのもイリアの中のアーチャーやペンダントのおかなどもあって泣いた。
>間桐桜
被害者でもあり加害者にもなったラスボス系ヒロイン、だがそんな彼女だからこそ触媒無しでライダー(メドゥーサ)や士郎がロボットから人間に戻る事が出来た。
>DEEN版から数えたら約15年
何気にDEEN版からのセイバーVSライダーからの雪辱を果たしたことになるライダーさんだったり、初期から士郎推しで念願の桜√で感極まったりする下屋さんだったりと歴史を感じますね・・・
ロリキャスルートはどうなるんですかねぇ!!!!
コメントどーも
> 自暴自棄になって無理して悪役やってる感はありましたね
一度手を汚してしまったから後はどんどん落ちていくだけと思っていそう
> 「自分を助けてくれなかった世界への漠然とした恨み」も語ってましたけど、それこそ本人にとってオマケ程度の悪感情でしょうし(実際、慎二に襲われるまで自覚すらしてなかった)
助けてくれなかった世界に対する恨みは確かにあったんでしょうけど
士郎や大河との生活でその感情は薄れていったのではないだろうか?
>まあ、黒くなる前の罪(一般人殺し)に関しては9割以上が蟲ジジイとアンリマユの影の仕業で、桜は夢遊病に近い状態でしたし
> 慎二を殺害したのも襲ってきたのは慎二の方の上に実際に手を下したのは桜の悪意に反応したアンリマユの影だし
> 情状酌量の余地があると思いますけどね
結局桜自身が自分を赦せなかったんでしょうね。
そんな彼女に「許(はな)さない」って言ってあげるまでの映画
> まあ、責任感が強く自罰的な桜は、全ての罪を背負ってますが
> そして法律などで裁かれないからこそ一生罪の意識が消えない、それが罰ってのは空の境界の浅上藤乃と同じですね
> 藤乃は桜の現型キャラですし
大丈夫だ桜、FGOの藤丸君のほうがもっと多くの人をアレしちゃってる(ォぃ
> 第二魔法が実現したのは時臣が大嫌いな魔術師殺しの息子のおかげですけどねw
使いこなせるかどうかは置いておいて、実質士郎は第二魔法を使えることに
> ちなみに平行世界から無限の魔力を供給するとはいえ、一度に使用できる魔力は使い手次第なので、希代の天才魔術師の凛が使ったからこそ、あの威力でもあります
> なお使用する度に反動で筋肉繊維にダメージを受けてますが、顔に出さない凛のド根性
使うたびにHPを消費しながら戦ってるようなものなので
実際消耗戦やらされたら負けてたんですよね…そこに気付かないあたり
桜は戦闘に関してはまだまだって感じます。
> ライダーさんは天然でかなりの煽り上手
> さすがあの姉様たちに挟まれて生きてきただけある
めっちゃ煽ってましたからね。さすが我が王は煽りに弱い
> なお後の凛の宝石剣での大暴れと聖杯が閉じた余波で、さすがに大崩壊した模様
> 一成くんは入院してる間に家の土台が崩壊してしまったのです
弁償は協会が肩代わりしたんだろうか?
> アーチャーの腕の影響を受けてる士郎と同等か、それ以上の身体能力
> (具体的にはイリヤを抱えたまま森の中を時速50キロで息も切らさずに走る)
> 切嗣もアヴァロンの加護があったとはいえ、よくこんな化け物と渡り合えたもんです
しかもZEROの言峰はさらに強かったらしいですからね…
> 言峰も可能なら「普通の形で妻を愛したかった」のだと思うと切ないですね
カレンも愛してやれよ…
コメントどーも
> >最高の完結編でした。
> 怒涛の連続死闘は勿論、今作の軸となる姉妹・姉弟の絆をキチンと描写もされていて「よくぞここまで…」と圧巻な2時間でした。
プレイ時間数十時間のゲームをよくここまでまとめ上げたと思います。
> >衛宮士郎
> やはりHFの腕士郎はアーチャーも士郎もカッコよくて燃える展開、最後に心を得たロボット(人形)として戻ってこれたのもイリアの中のアーチャーやペンダントのおかなどもあって泣いた。
ペンダントが壊れた=英霊エミヤにはならないことが完全に証明された
シーンでもあったんですよね。
> >間桐桜
> 被害者でもあり加害者にもなったラスボス系ヒロイン、
どうあがいても既に故人であるセイバー
士郎がいなくてもなんとかやっていけそうな凛と違って
桜は士郎でしか救うことはできなかっただろうから。
彼女がトゥルールートのヒロインだったんでしょうね
> >DEEN版から数えたら約15年
> 何気にDEEN版からのセイバーVSライダーからの雪辱を果たしたことになるライダーさんだったり、初期から士郎推しで念願の桜√で感極まったりする下屋さんだったりと歴史を感じますね・・・
下屋さんは桜のこと「私」って言っちゃうくらい思い入れが強いですからね。
>
> ロリキャスルートはどうなるんですかねぇ!!!!
ロリキャスルートはいつか回収してほしいところだけど…
慎二ルートのほうが先にお出しされそうである。
コメントどーも
> 自分は初日に見てきました、ライダーとセイバーオルタの戦闘シーンは食い入るようにみて、「仮面ライダーの戦闘シーンも、実際はこんなにビュンビュン動いてんだろうな」と思いました、
ある意味メドゥーサさんが本来の力を最大限に
発揮できた唯一の戦いだったんだと思います。
>あとイリヤが去るシーンで士郎と同じ気持ちになって涙が零れました
あのシーンは士郎の「生きたい」
イリヤの「お姉ちゃん」
ちらっと出てくるアイリスフィール
…と泣ける要素多すぎる
ほぼ戦闘経験が皆無ですからね
まともな魔術の指導すらされてませんし
>カレンも愛してやれよ…
まともな形で人を愛せない自分の手元に置くべきじゃないと判断したんだと思いますよ
実際、言峰は凛の事を愛弟子として愛してて、その結果があの対応ですし
コメントどーも
> >カレンも愛してやれよ…
> まともな形で人を愛せない自分の手元に置くべきじゃないと判断したんだと思いますよ
> 実際、言峰は凛の事を愛弟子として愛してて、その結果があの対応ですし
あの親子に関しては
お互い拗れてるだけでそれなりに家族愛はあったんだって思う。
被って見えますね…(思い人の事を思いながら死ぬあたりが)
ってかこうしてみると臓顕ってある意味では「正義の味方」の
慣れの果てって感じでアチャ男さんとは同類の人って
感じです。
> 被って見えますね…(思い人の事を思いながら死ぬあたりが)
元々正義の人でまともだったっていう部分も同じですからね。