帰ってきた我らがD.C.Ⅲがこれまでの「枯れない桜」にまつわる
シリーズの集大成だったのに対し、
4は全く新しい世界を描いた新章の物語。、
「4」と書いてはあるが
これまでD.C.シリーズに触れたことがない
人でもやりやすい内容だったと思います。
いろいろと新しい試みがありましたが
「魔法が関わるちょっと不思議な愛の物語」というスタンスは変わりなかったです。
各ヒロインのルート攻略完了後の感想はこちら↓
・D.C.4 プレイ感想その1■共通パート
■白河ひよりルート
■美嶋美羽ルート
・D.C.4 プレイ感想その2■日野原ちよ子&鳳城詩名ルート
■鳳城詩名ルート感想
■日野原ちよ子ルート感想
・D.C.4 プレイ感想その3■姉妹共通ルート
■常坂二乃ルート感想
■逢見諳子ルート感想
・D.C.4 プレイ感想その4■鷺澤有里咲ルート
・
D.C.4 プレイ感想その5■真そら姉ルート
■鷺澤有里栖ルート
■D.C.
以下、キャラクターの感想
・鷺澤有里栖 CV:東山奈央
手が届きそうで高嶺の花なお日様系お嬢様。
気さくで明るい学園のアイドル的な存在。
ただ、あまりにも距離感が近すぎて
勘違いしちゃう男子は多かっただろうな…
とにかくシナリオにおける
「二面性」に驚かされたヒロイン。
まさに「鏡の国のアリス」だったわけだ。
同一起源の存在ですし、彼女側の記憶を共有したわけだから
いっくんのこと好きになるのはわかるんだけど…
どうも「泥棒猫」感がぬぐい切れなかったです。
正直作風がD.C.Ⅱ寄りだったら
有里咲と
修羅場が発生していたと思うんだ。
「人間はね、自分を見るのが不愉快なのよ。
でもね、どんなに不愉快でも、どんなに憎くっても、
自分自身を殺すことも、自分自身をやめることもできないのよ!」
私はあなたよ! あなたは私!私よ、死ねえぇぇぇ!!」っていう感じで。
有里咲と比べて子供っぽく食いしん坊で
天真爛漫なお姫様タイプのヒロイン。
ただ、有里咲の設定を知った後に
有里栖を選ばせるとか酷にもほどがある。
・常坂二乃 CV:伊藤彩沙
素直に笑ってくれない裏モード搭載妹
兄のことを「兄さん」と呼び、
兄に対して素直になれない、
学校と家での態度が全然違う仮面優等生、
そして料理がへたくそ。
「ああ、この子はまさしくD.C.シリーズの
伝家の宝刀たる妹キャラなんだな。」…と出会った瞬間から感じました。
他の妹系との差分としては
朝が弱いこと、小悪魔的なところ
兄の魔法について知ってるところ、
胸が大きいところ、黒髪ロングな点。
こうして挙げてみると結構
これまでと違う妹タイプだったと思います。
何より違うのは
「妹」になろうとしている点
これまでのシリーズでは妹のほうが兄妹の壁を乗り越えようと
苦悩するパターンが多かったですが、
今回は兄のほうが兄妹の壁を崩すために
苦悩するというパターンでした。
二乃シナリオは自身を簒奪者だと思い込んでいた偽物の妹が
自身を許して本当の恋人(いもうと)になるまでのお話。
・逢見諳子 CV:加藤英美里
主人公兄妹だけ大好きなだだ甘お姉さん
通称「そら姉」
音姉、るる姉に続く甘やかし系お姉ちゃんキャラ
今回は胸も大きくて料理万能という完璧っぷり。
おそらく弟の隠してたエロ本を見つけても
「いっちゃんも年頃の男の子だからね」
って言って笑って許してくれそうな器のでかさ。
その甘やかしっぷりはもはや「姉」を超えて
「保護者」の域にまで達しているが、
彼女のルートをクリアすると
何故そうなったのかがよくわかる。
血の繋がっていない近所の男の子のことを弟と呼び
心配してバイト先まで付いていく過保護っぷりも
彼女の過去を知ればだいたい納得できる。
D.C.シリーズではこれまたお約束の
非人間系ヒロインだったわけだが
シナリオの重さは本作屈指でした。
エンディングはノーマルとグッド二つあるのですが
個人的にはノーマルのほうが好きだったりする、
そりゃ確かに悲しい別れはあったわけですが、
それでもいっくんが前を向いて生きていくことを
選んだわけですから、それはそれで良い終わり方だったと思う。
・白河ひより CV:阿澄佳奈
破天荒で残念美人な学園の恋愛請負人
D.C.シリーズ伝統の「白河」の血族
時には杉並すら出し抜く白河家最終兵器。
ある意味本作の物語が始まるきっかけを作った
という結構重要なポジションのキャラだが
メインヒロインにはなれない。
たとえ世界が変わろうと白河一族の苦難は続く。
割といじるタイプのヒロインと思いきや
逆にいじられるのに弱く、そこが可愛い。
子供っぽい部分も多く親しみやすいタイプのヒロイン。
「能力持ちヒロイン」というこれまた
これまでの白河家のヒロインと同じ属性のキャラで
"孤独にならないように能力を使って無理をする"
という点に関しても似ていました。
基本的にメンタル弱いよねこの一族?世界が変わろうと変わらないものもある。
変わらない白河ブランド
しかし、トゥルーエンド後の改変された世界では
能力を失っているはずだが、
彼女はこれまでどうやって生きてきたのだろうか?気になる。
・鳳城詩名 CV:水瀬いのり
無口系クールでちょっとぼっちな毒舌少女
体験版では全く出番のなかったヒロインその1。
近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが
自分が気になることに関してはぐいぐい迫る毒舌少女
「うるさいですね」とは言ったりはしない。
一度デレると歯止めが効かなくなるタイプで
割とむっつりスケベ。しかも父親相手にそれとか…
"平行世界からやってきたメインキャラの血縁者"
という意味ではD.C.Ⅱの義之ちゃんに似た設定だが
彼ほど儚い存在ではない。
あと、自身のルート以外では本当に出番がなく
ヒロインの中では一番空気。
本作の集大成感のある有里栖ルートとか
ちょっとでいいから出番あげてもよかったのでは?
しかし、あの母親と父親から
よくこんな性格の子が生まれたよな…
むしろ母親がああだからこうなったのか?
・美嶋未羽 CV:前川涼子
小動物(ハムスター)系少女。
引っ込み思案で、目立つことが苦手な少女。
あのフリーダムでド天然な幼馴染二人に
囲まれてよくこういう性格になったもんだと思う。
主人公に対して萎縮しちゃうようなタイプで
割と主人公とヒロインとの距離が近くて遠慮のない関係が多い
D.C.シリーズでは意外と珍しいタイプのヒロインでした。
常に赤面している本作の
えろかわ担当。
露出は少なく、本人も耳年増っていう
わけでもないのにエロく感じてしまうのは
たぶん性格と羞恥心のせい。
「肩車はエロイ」という真理を開かせた罪深き少女
彼女自身が好きなキャラなだけに
シナリオが短いのが本当の惜しいと思った。
ルートも"もうひとつの白河ひよりルート"っていう感じで
彼女が主体とは言いにくい内容でしたし
(ある意味、彼女は問題たる問題を抱えていないヒロインだったわけだが)
・日野原ちよ子 CV:尾崎由香
自由すぎるエキセントリック生主
主人公の後輩で「CHOCO」の名で
生放送を配信するマイチューバー
やたらハイテンションで元気な後輩
いわゆる"わんこ枠"のキャラで
おバカだけど可愛いから愛おしいよね。個人的に本作のヒロインの中でも
一番かわいいと思ってるキャラ。
服を着替えるたびに髪型が変わるという
シリーズどころかギャルゲー界全般でも珍しいキャラ。
個人的に私服時のおろした髪型が好み。
(動画配信時のツインテールも捨てがたいが…)
彼女自身が好きなキャラなだけに
シナリオが短いのが本当の惜しいと思った。その2
「これは恋人になってから一波乱あるんだろうな」
って思ったら速攻で終わったし、
未羽たんもそうだけど、
ファンディスクか何かで補完してほしいですね。
・杉並 CV:岸尾だいすけ
我らがD.C.シリーズにおける最高の悪友
今作においては「非公式新聞部」は存在せず
「探偵」として常に暗躍する存在として描かれるが、
基本的には旧シリーズと同じ性格、立ち位置の
キャラだと思っていても問題ない。
活躍としては恋パや有里栖ルートにおける
アクティブな立ち回り方や
二乃ルートにおける親友的なポジションが印象的だった。
・叶方 CV:森嶋秀太
女装好きで女子の情報ならお任せの親友。
悪友枠その2で、「男の娘」的な女装男子ではなく
心は普通に男、でも女装好きという変わったキャラクター。
立ち位置的には「オネエ系」に近い
やたらソシャゲでガチャして爆死してるのが印象的
・KotoRI CV:堀江由衣
言葉と歌で思いを届ける顔のない歌姫
白河ことりとそっくりのヴァーチャルマイチューバー
本名は「白河琴里」で
この世界における「白河ことり」と同一人物
出番は少ないが存在感はあり
主人公の心の支えでもある存在。
現状分かってる内容としては
・年齢は主人公たちより少し上
・ひよりの親戚
・三日月島(この世界における初音島)在住
・学生時代は目立たない存在だった
・歌は上手い少なくとも純一たちとは出会ってはなさそうですね。
(この世界に純一の同一存在がいるのかも謎ですが)
・ちぇし CV:田村ゆかり
ぬいぐるみのような不思議な外見をした猫。
本作の不思議マスコット枠のキャラだが割と口が悪い。
とりあえず謎の存在で終わるのだが、
そういえばうたまるもはりまおも
その存在が何者なのか明言されたわけではないし
「そういう存在なんだ」っと納得するのがいんだろう。
個人的な予想としては「カガミの世界」の精霊とか神様的存在
・常坂元 CV:杉田智和
主人公の祖父で大魔法使い。
割と何でもありな設定のジジイで
故人でありながら存在感は滅茶苦茶有る御仁。
たぶんファンディスクとか作られるたびに
設定が盛られて「あのジジイやっぱすげぇな」
ってなる存在だと思います。
何気にサクラの国に行ってたぽくて
有里栖の安定化の魔法はそれが由来と思われる。
・常坂一登「しゅあーない」と言いつつ無茶をする主人公。
大魔法使いの孫で主人公というポジションは
純一に似ているが、大きな過ちを犯したという点では
さくらに似ていたと感じました。
思えば「家族モノのドラマ」が苦手というプロフィールは
作品を終えた後だとすごく重く感じるし、
好きなものに「笑顔」を挙げているのも
今思うと自分がかつて
"笑顔を失った"ことに
由来してたんだろうねと納得できる。
D.C.の主人公では義之ちゃんに並ぶ
重い設定の持ち主で、ある意味元凶と言える人物。
失ったからこそ何かを大切にできる人間で
何よりも失うことを恐れている。
D.C,の主人公は全員魔法使いなんですが
魔法使いとしての道を選んだのは
いっくんが初でしたね。
何気に「ピアノが得意」という
ギャルゲー主人公では珍しい設定を持つが
音楽用語がタイトルの作品で4作目にして
初めてこの設定の主人公出すんかいと思いました。
(義之ちゃんはギターだったし)
・鷺澤有里咲 CV:東山奈央
もう一人の有里栖にして
サクラの国(D.C.1~3までの世界)から
ミズの国(D.C.4の世界)にやってきた
有里栖の別世界における同一人物。
プロローグから有里栖ルート中盤まで
主人公たちと過ごしていたのは実は有里咲。
主人公との運命的な出会い方や
物語全体としての立ち位置
そして何よりもその献身的なまでの生き方。
どれを取っても
メインヒロインとしての
器を持ってるパーフェクトヒロイン。
基本的には有里栖と似た性格だが
育った環境や魔法使いとしての使命を背負ってる分
有里咲のほうが若干大人びて見える。
あと、一人で背負いがちなところがある。
結局「鷺沢」姓だった理由は不明
割とアニメとかサブカルにはまってる意外な面も持つ。
ただ、向こうの世界ではあんまり娯楽に触れてなくて
こっちに来てハマったんだろうなって考えるとちょっと切なくなる。
総括:
新規にも経験者にも優しい
「D.C.シリーズスターターセット」っていう感じでしたね。
本作をプレイして「サクラの国」に関して気になった方は
ぜひとも1~3をプレイすると良いでしょう。
好きなキャラベスト3は
1.美羽
2.ちよ子
3.有里咲
好きなシナリオベスト3は
1.諳子ルート
2.二乃ルート
3.詩名ルート
全体的に
「恋」にまつわる物語だったと思います。
そりゃギャルゲーなんだし恋がテーマなのは
当たり前なのですが、本作は主人公とヒロインだけではなく
名もなきモブの恋も重要になっていて
「恋愛請負人」という設定も相まって
全体的に「恋」を肯定し応援する内容。
未来へ向かうために、過去から全部やり直す
そんな「「D.C.(ダ・カーポ)」のような始まりのキセキを描いた
"恋が世界を変える物語"でした。
【関連記事】
・D.C.Ⅲ~ダ・カーポⅢ~ 感想まとめ・D.C.Ⅱ Dearest Marriage 感想・D.C.Ⅲ With You 感想・D.C.Ⅲ DreamDays プレイ感想
世界を変える力になるD.C.(ダ・カーポ)
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個人的には元さんや二乃両親のキャラ立てがしっかりしてたのはⅠ~ⅢみたいにⅥあたりで過去をやる前振りかな?と思いました
そういえば明らかになってないパークのアリスの伏線について、有里咲はTAB無くてもCOMUにメッセージ飛ばしたりしてましたし、人工精霊でも介してハッキングやアリスへの乗移りができるのかも…
コメントどーも
> 直近のⅢやⅡDMがそれまでのシリーズでの積み重ねをうまくストーリーの盛り上がりに取り入れていたからか、余計に今作での有里咲、有里栖ルートでの話の盛り上げ方やキャラの出番の偏りとかが少し目についてしまいました。
終盤の盛り上がりは確かにⅢのほうが断然好きですね。
全キャラに見せ場がありましたから
> 個人的には元さんや二乃両親のキャラ立てがしっかりしてたのはⅠ~ⅢみたいにⅥあたりで過去をやる前振りかな?と思いました
確か常坂家シリーズはまだ続くと思うんですよね。
ただ過去編やると、いっくんの両親のことわかって
さらにおつらいことになりそうだ。
> そういえば明らかになってないパークのアリスの伏線について、有里咲はTAB無くてもCOMUにメッセージ飛ばしたりしてましたし、人工精霊でも介してハッキングやアリスへの乗移りができるのかも…
パークのアリスの伏線は僕も有里咲説が強いと思いますが
人工知能に自我が芽生えて~っていう展開は昨今ではよく見かけますし
ファンディスクあたりで「第三のアリス」として
ヒロイン化する伏線かもしれません。
コメントどーも
> 人工知能に自我が芽生えて~の話は姉妹作品のD.S.で実はやっているんですよね、D.S.には人工精霊や少女型人工知能といった今作で出てきたワードが初めて出た作品でもあるので興味があればプレイしてみてもいいかもです。
D.S.は感想は書いてませんが実はプレイしています。
個人的にひまりが一番好きだった。
>ただこちらの作品ではその結果悲しい結末を迎えることになったのでもしD.C.Ⅳのファンディスクか何かでアリスについて触れることがあるのなら今度はハッピーエンドがいいですね
「人工知能との恋」ってのは
肉体を持たないがゆえにビターエンドに
なるパターンが多いですからね。
でもD.C.は人外だろうと幽霊だろうとOKな風潮あるので
大丈夫なんだろう。(幽霊はどっちも悲しい結末になりましたが)