本作は分割販売されていた9-nine-シリーズの作品
・9-nine-ここのつここのかここのいろ(1章)
・9-nine-そらいろそらうたそらのおと(2章)
・9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ(3章)
・9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと(4章)を一本にまとめて、完全新規の
「新章」を追加し全年齢化した作品。
なので
「えちえちなシーンが見たいんじゃぁ!」っというこだわりのある18歳以上の方以外は
本作を購入したほうがお得です。
自分は分割で発売された4作はプレイ済みだったので
実質新情報は新章のみだったんですが、
改めて最初からプレイすると気が付く部分も多かったりしました。
一応今までにプレイしたシナリオの感想はこちら↓
9-nine-シリーズ プレイ感想(1~3章までの感想)
9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと 感想■新章についての感想「都石化ルートの救済」
「各ルートの後日談」
「9-nine-としてのエピローグ」を描いた真の完結編っていう感じの内容でした。
・都石化ルートの救済1章の最初のルートで都が石化した最悪の結末を変えるためのお話。
翔くんはもちろん奮闘するんですけど、都も大活躍でした。
みゃーこ先輩って章が進むにつれて
他のヒロインやだんだん強くなる翔くんに圧倒されて
いまいち影が薄くなりがちでしたけど、
今回は
与一&翔という超越能力者二人を無効化するなど
一気に戦力ヒエラルキートップに躍り出ました。
さすがメインヒロインは格が違った。それでも犠牲者は出てしまったし、
都自身も自らの手を汚したという罪を
背負って生きてゆくことになったりと、
都ルート特有のビターエンド感は相変わらずでした。
罪を背負って生きていくことを選んだ彼女の
未来に幸あってほしいと思いますね。
・各ルートの後日談ルートによっては何も解決してなかったり
問題を抱えたまま終わってる部分を
全部解消してヒロインとのイチャイチャを
追加したハッピーエンドという感じでしたね。
クリア後のおまけ特典みたいな感じの
ダダ甘ショートエピソードだったのですが
これまで辛い目にあってきたからこそ
幸せに過ごす彼らの姿は微笑ましかったです。
一応どのルートでも共通しているのは
①ヴァルハラソサエティのメンバーは集まる
②アーティファクト回収はし続ける
③高峰生存の場合は彼も仲間に加わる
ってことですかね。
・9-nine-としてのエピローグ全ての後日談を回収し終えると到達できる本当の結末。
この結末はここまでプレイしたプレイヤーなら誰もが
「もしかしてできるんじゃないか?」って一度は想像してたことだと思います。
なかったことにはしてはいけないとは思いますが、
それでも
「全てを救える可能性の枝」が一つはあっても良いと自分は思います。
このエンディングの後の彼らの結末は
観測することはできないのですが、
最後の絵を見る限り、希望ある未来に
たどり着けると信じたいですね。
■9-nine-シリーズ総括自分は3作目が発売したあたりから動画で知って
そこからプレイをし始めましたが、
作品が進めば進むほど面白くなっていきました。
本作はいわゆる使い古された
「能力者バトルもの」なのですが、
伏線の回収や物語としての盛り上げ方が上手く
物語への没入感は圧倒的でした。
複数の世界線(枝)や時間軸をまたにかける
壮大な物語になってからは、
この手の物語が好きなので非常に楽しめました。
全章の印象としては
1章(ここのつここのかここのいろ) = 物語の序章。一番平和だった時期2章(そらいろそらうたそらのおと) = ヒロインの天が可愛すぎ面白すぎ。でも重い3章(はるいろはるこいはるのかぜ) = 物語が一気に盛り上がる転換期。敵も味方もインフレしてくる4章(ゆきいろゆきはなゆきのあと) = 最悪の絶望からの最高の最終決戦は爽快新章:真の完結編。エピローグっていう感じでしたね。
以下、キャラクターに関しての感想・新海 翔(にいみ かける)本作のメイン登場人物にしてプレイヤーの相棒。
ガラと目つきと口は悪いが優しく善良な男。
聖人君子のように見えて事件にかかわる動機が
"好きな子に良い恰好したいため"だったり
割と俗っぽい性欲直結型。
でも最後までプレイしてみると印象はだいぶ変わって
本質的には熱血漢で言動からにじみ出る性質は
まちがいなく
「正義の味方」出会ってすぐに翔の本質を見抜いたみゃーこ先輩凄いと思う。
章が進むにつれてどんどん強くなっていったキャラで、
4作目終盤あたりは名実ともに"最強のユーザー"でした。
あと彼を語るうえで欠かせないのが謎の経済力。
バイトもしてないけど毎日外食していたり、
クレーンゲームで二千円以上つぎこんだり、
家賃なんかも全部親が払ってることを考えると
両親が相当もうけてそうですよね…
みゃーこ先輩の「ブルジョア談」は割と当てはまってる気がします。
・九條 都(くじょう みやこ)翔のクラスメイトで1章のヒロイン。
責任感が人一倍強い真面目な性格だが
割と精神的に脆く一度崩れると
悪い方向へズルズルと引き込まれる。
"支えてくれるタイプのヒロイン"と思いきや
一番行動力があってこちらがブレーキをかけないと暴走するタイプ
というのはちょっと意外でした。
典型的な大人しい優等生キャラなので
うざかわ系騒がし妹、中二病のリーダー、妄想癖のオタク先輩
っというヴァルハラ・ソサエティの
個性的なヒロインたちの中では埋もれがちと思いきや、
新章では彼女が隠し持っていた嫉妬深い一面や
一度火が付くと手が付けられなくなる点が強調され
「単なるいい子」とはとても思えなくなりましたね。
たぶん
キレさせたら一番ダメな子。
余談になりますが、
都はアルバイト中の
眼鏡とツインテールの姿が一番かわいいと思うのです。・新海 天(にいみ そら)翔の妹で2章のヒロイン。
兄や仲間に対しては本当に五月蠅い子で
ことあるごとに発生する新海兄妹の
兄妹喧嘩は本作の見どころの一つ。実は自分が本作をプレイするきっかけとなったのは
動画で天と翔のやり取りを見たからなんですよね…
本当に永遠に見ていたと思えるくらい
容赦ないやり取りが面白いです。
おそらく兄への呼称が最も多い妹キャラ
「お兄ちゃん」から始まり
「にぃに」「お兄様」「兄貴」「にいやん」と
かなりフリーダムに兄の呼称を変えまくる。
とにかく面白いヒロインでした。
それでいてちゃんと脆い部分もあり妹キャラとして
ちゃんと「守ってあげたい」と思える子で
シリアスとギャグのバランスが絶妙でした。
恋人や夫婦よりも「兄妹」の方がランクが上という
発言には思わず納得してしまいました。
そういえばお天さん、義理の妹と思いきや実妹らしいですね。
・香坂 春風(こうさか はるか)翔たちの学校の先輩で3章のヒロイン。
章によって立場と出番が大きく変わるキャラクターで
おそらく
初見時とプレイ後のギャップが最も大きい人物。ある時は気が小さくて大人しい清楚な先輩。
またある時は大胆不敵な女王様のような妖艶な先輩。
その実態はただのどうしようもない妄想癖のオタク女子。
よくも悪くもコミュ障で空気が読めず
他人との距離がわからず接してくるあたりが可愛い。
あのお天さんドン引きさせるとか相当ですよデスカレー先輩。
それでいて、意外にも観察眼に長けていて。
戦闘時に的確な指示を言い渡したり、
都や天の翔への好意を朧気ながら察していたり
実は才能では翔に匹敵する作中最大戦力の一人。
本当に彼女が味方でよかった…
・結城 希亜(ゆうき のあ)翔たちとは違う学校に通うミステリアスな少女。
4章のヒロイン。
アニメ・漫画好きのオタクで、おまけに重度な中二病という
残念な部分を持っている少女ですが、それを補って余りあるほど、
正義感の強い頼りになるヴァルハラ・ソサエティのリーダー。
真の意味でアーティファクトの性能を理解していたり、
他のメンバーが倒れる中、気合で戦場に立ち続け、
失意のメンバーを激励し奮い立たせ
逆転のきっかけを与えりと
戦闘面では滅茶苦茶頼りになったリーダーでした。
ただ、恋人になった後は
完全に
甘えん坊のロリっ子でしたね。
デレデレで甘えまくってくるところは
普段の凛々しい姿とのギャップで最高に可愛かったです。
・ソフィーティア翔の前に現れた異世界の幻体。
ある意味元凶ともいえる人物ですが、
「自らの過ちを止めるため自らの命をかけて立ち向かう」というある意味裏主人公的な立ち位置のキャラ。
最初は小憎たらしい毒舌人形だが
話が進めば進むほど彼女に対する信頼感が増していきます。
最初から最後まで一貫して協力者でしたし
無理を通して第一世代のアーティファクト持ってくるあたりとか、
翔が希望を捨ててないことを信じて行動するあたりとか
なんだかんだで
ソフィが一番の相棒なんだと感じましたね。
・成瀬 沙月(なるせ さつき)翔の担任教師でかなりめんどくさがり屋。
割と重要な設定を持つことは1章から仄めかされていたが
3章にしてようやく回収された。
4章ではラスボス打倒に割と活躍。
これは最終章でヒロイン化待ったなしか?
っと思いきや特に
そんなことはなかったぜ!…個人的にイーリス打倒した枝の翔を支えることができるのは
彼女しかいないと思うので、そういう救済が
あるんじゃないかと思っていました。
ある意味イーリスが入って暴れまわってた時期が一番輝いてた人
・高峰 蓮夜(たかみね れんや)翔たちと敵対する能力者集団
「リグ・ヴェーダ」のリーダー
普段はどうしようもない中二病患者だが
何だかんだで友情のために戦ってる憎めない男。
新章の追加シナリオにてその心情と
与一に加担する理由が明らかになったんですが、
どちらかというと
自分への贖罪だったのかもしれません。
でも、彼の想いは報われないどころか
ルートによっては与一に良いように
利用されるだけなあたり虚しいですよね。
とりあえず後日談でヴァルハラ・ソサエティの仲間と過ごす
彼は幸せそうで何よりです。
・ゴースト(レナ)リグ・ヴェーダに所属する謎の少女
その正体は与一の使用する幻体。
2章のラスボスで、3章は心強い味方になってくれるあたり
「あの敵がまさかの仲間に…」を体現したようなキャラでした。
本作では割と珍しいキレキレの
毒舌キャラで
春風先輩のカレーに対するツッコミとお説教の数々はまさにごもっともでした。
なんやかんやで
「文句は言いつつも従ってくれる不良娘」というポジションを確立した。
・深沢 与一(ふかざわ よいち)翔の悪友で欲望に忠実なキャラ。
ここまで書くとありがちな親友キャラですが
その正体は探し求めていた魔眼のユーザーで
清々しいまでに頭のネジが外れたサイコ野郎。
何だかんだで共闘したり「実はいい奴なのでは?」という
描写が度々ありましたから、「いつか仲間になるんだろうな」
と思っていましたが、正体を現した3作目以降、
最後まで敵対していましたね。
誰もその心情を理解できないし、彼自身理解されようともしない
誰も信じず深い関係を築くことができなかった与一ですが、
少なくとも
翔に対する執着心は本物だったと思うんですよね。
なんだかんだで翔を殺すことを躊躇したり
翔が人殺しをしそうになった時は力づくで止めたり
翔に対しては情を捨てきれていない所や
利害が一致したとき共闘するあたりも
本心では彼に友情を感じていたんじゃないかと思います。
生まれ持っての異常者ではありましたが、
普通の人間として取り繕う知性や教養も持ち合わせていたことから
普通に暮らしていればその異常性を発揮する機会は無かったんでしょうね。
アーティファクトという超常の力を手に入れたことが
彼の運命を狂わせた最大の要因だったんじゃないかと思います。
どの枝においても姿を消す運命となりましたが、
アーティファクトの存在しない最後に到達した枝なら…
もしかしたら彼にも救済があるのかもしれません。
個人的には
日常の象徴だった主人公の友人が敵に回るっていう展開は好きなので、翔との関係性や
正体表した後のサイコ感も合わさって
わりと好きなキャラだったりします。
・ナイン本当の意味でのプレイヤーの分身であり主人公。
プレイヤー=新海翔ではなく
プレイヤー=ナインっだってことに気付いた時は驚きましたね。
"作品のタイトルはプレイヤー自信を示していた"
というのも面白い点です。
エピローグのラストで翔くんがプレイヤーの名前を
言ってくれるのはちょっとした恩返しのようにも感じました。

全体を通してキャラとして一番好きだったのは天で、
話として一番好きなのは4章(ゆきいろゆきはなゆきのあと)です。

以上、9-nine-シリーズの感想でした。
- 関連記事
-
スポンサーサイト