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蒼穹のファフナー THE BEYOND 第十一話「英雄、二人」感想

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『自分を捧げず、手に入れるんだ!』

以下、ネタバレありの感想です。


蒼穹のファフナー THE BEYOND 3 Blu-ray




EXODUSから持ち越されていた
「アルタイルとの対話」が描かれ
「蒼穹のファフナー」というシリーズにおける最後の戦いが
繰り広げられた第11話でした。


■マリスとの決着

まさかのゼロファフナー再登場には驚きました。
本当にいっつも美味しい所で出て来て
活躍してくれますねこの機体は。

色々やらかしてきたマリス君に関しては
結局のところ"世界のすべてを犠牲にしても美羽を救いたい"という、
なんかセカイ系の主人公みたいなことが目的だったらしく
総士も言ってましたが「それ先に言えよ」って思いましたね。
美羽ちゃんを救いたいという気持ちは分かるけど
それにしたってやり方が違うだろ!っとも思います。


■生贄の否定
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母親やエメリーがそうしたように
自らを生贄にしてアルタイルと同化しようと思ってる
美羽ちゃんやそれを推し進める島の大人たちに対して
総士が真っ向から否定したのは良かったですね。

これまでの"生き残るために犠牲を強いられてきた
ファフナーという作品の否定"
であると同時に
新しい未来に踏み出すために必要な最後の一歩
だったのかもしれません。
悲しい連鎖を断ち切って未来へ歩みだそう。
THE BEYONDという物語で一番やりたかったのは
ここに集約されていたんじゃないかと思います。

7~9話の感想でも触れましたが、
ファフナーという作品において
子総士くんのメンタリティは希少で尊いです。
マークニヒトの「否定」という意味を
良い方向で使うことができる存在。


■総士VS一騎
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マークアレス VS マークニヒトの対決は
個人的にこの対決がファフナーシリーズにおける
ベストバウトだと感じました。
互いにザルヴァートルモデル同士の真っ向勝負で
しかも主人公対決という熱い流れ。
方や「全を救うために一を犠牲にしようとする前作主人公」
もう方や「一を救うためにそれを否定する今作主人公」
今までありそうでなかった総士と一騎の主人公対決
であると同時に本当の意味で世代交代を
意味していたと感じました。

あの一騎に勝っちゃった上に彼の「命の使い方」
すら否定したわけですから、
間違いなく総士が主人公になったんだと感じました。
何気に新生マークニヒトがスサノオとツクヨミの
能力を継承しているあたりは「師から弟子に託された力」
って感じられて良かったですね。


■英雄、二人
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でもって「英雄、二人」というサブタイトルに相応しいくらい
圧倒的力で戦いを終わらせるマークニヒトと
マークザインのツインドックは素晴らしかったです。
マークレゾンとの決着に関しては次回に持ち越すかな?
って思ったんですが、ザルヴァートル化した
マークザインが強すぎて相手にならなかったですね。
元々ザルヴァートルモデルがベースの
ザルヴァートル化に加えて、アルタイルのミールを
同化しているわけでしたから、
間違いなく歴代最強のファフナーだったと思います。

最後まで美羽ちゃんが相手を殺すことではなく
相手と分かり合おうとする優しい気持ちで
戦おうとしていたのは良かったですね。
最強の力を手に入れようと、それを救うために
使うあたりは「存在」を意味するマークザインの
在り方そのものだと感じましたから。


ということで戦いにおける全ての決着がついた第11話でした。

【関連記事】

・劇場版 蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH 感想

・祝福-おかえり-

・蒼穹のファフナー EXODUS 第1話「来訪者」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第2話「希望の名は」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第4話「継承者たち」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第5話「新世界へ」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第6話「祝福のとき」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第7話「新次元戦闘」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第8話「平和を夢見て」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第9話「英雄二人」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第10話「希望の地へ」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第11話「変貌」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第12話「戦場の子供たち」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第13話「闇の中の未来」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第14話「夜明けの行進」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第15話「交戦規程アルファ」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第16話「命の行方」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第17話「永訣の火」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第18話「罪をかさねて」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第19話「生者の誓い」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第20話「戦士の帰還」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第21話「目覚めの時」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第22話「憎しみの記憶」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第23話「理由なき力」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第24話「第三アルヴィス」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第25話「蒼穹作戦」

・蒼穹のファフナー EXODUS 第26話「竜宮島」

・蒼穹のファフナー THE BEYOND 第1~3話感想

・きみはしるだろう

・蒼穹のファフナー THE BEYOND 第4~6話感想

蒼穹のファフナー THE BEYOND 第7話~9話 感想

・蒼穹のファフナー THE BEYOND 第十話「嵐、来たりて」感想

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最終話の感想は木曜日に上げることを予定しています。
関連記事
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コメント
No Subject
最終決戦に相応しい戦いの数々でした。
マリスについては総士と完全に心情がシンクロしました。「早く言え、馬鹿!!」
でもあの剣司をして、「これ(美羽が犠牲覚悟でアルタイルと対話する)しかない」って言わしめるまで追い込んだのは、マリスの勝手な行動が一因というのが皮肉です。SWのアナキンの如く中途半端な予知に引き回され当人の大切な人を害するのはピエロというかなんというか。そんな彼にも一筋の光が残ったのは幸いです。

マークアレス VS マークニヒト…ラスボスが2体が丸々残っているのに始まる親子喧嘩、正直vsマークレゾンより白熱してたのでは…
考えてみると二人の対立はthe beyondのテーマでもあったと思います。
一騎が背負ってきたのはこれまでの「蒼穹のファフナー」という作品そのもの、「自分はいなくなる、それでも誰かが継いでくれるなら意味はある」「犠牲は無駄にならない」という気高くも悲壮な旧総士とともに大切にしてきたあり方でした。一方the beyondの総士は、そんな一騎も彼のあり方を肯定してきた従来のファフナー像を理解はしても否定します。そんな彼らのぶつかり合いは序盤こそ戦闘経験の差もあり一騎が優位に立ちますが、折れない総士の意思の強さ・旧総士の語り掛けもあり敗北します。「あ、これ本作で本当にファフナー終わるんだ」と世代交代を意識させる戦いでした。


そしてとうとうアルタイルの力を得たマークザインの強さに脱帽しました。ラスボス2体を、あんだけ戦いを嫌がっていた美羽ちゃんが下すとは思いませんでした。
このときのマークザインはおっしゃるとおり歴代最強を冠するにふさわしいと思います。強さもさることながら美羽が「対話」のためのマークザインを駆ってきた答えがここで示されましたね。


ここまで密度の濃い内容にしてくれたスタッフに感謝感激です。

2021/11/11(木) 16:45 | URL | テクラ #-[ コメントの編集]
Re: No Subject
>テクラ さん
コメントどーも

> 最終決戦に相応しい戦いの数々でした。
> マリスについては総士と完全に心情がシンクロしました。「早く言え、馬鹿!!」

なんでもうちょっと早くそういう事言わないかなー!
でもあの状態にならないと男って本音を話せない生き物なんです。

> でもあの剣司をして、「これ(美羽が犠牲覚悟でアルタイルと対話する)しかない」って言わしめるまで追い込んだのは、マリスの勝手な行動が一因というのが皮肉です。SWのアナキンの如く中途半端な予知に引き回され当人の大切な人を害するのはピエロというかなんというか。そんな彼にも一筋の光が残ったのは幸いです。

おそらくマリスの件が無かったとしても
美羽ちゃんは「自分がそうするべき」だって思ったら
迷わず自分を捧げただろうから…結局マリスは行動起こしても起こさなくても
彼女を変えることができなかった哀れなピエロでした。

> マークアレス VS マークニヒト…ラスボスが2体が丸々残っているのに始まる親子喧嘩、正直vsマークレゾンより白熱してたのでは…

感想にも書きましたがこの戦いがファフナーシリーズで一番熱い戦いだったと思います。

> 考えてみると二人の対立はthe beyondのテーマでもあったと思います。
> 一騎が背負ってきたのはこれまでの「蒼穹のファフナー」という作品そのもの、

ROLの時からずっとそうでしたからね、
犠牲はあったけどそれがあったからこそ前に進めた
希望は残せた。そんな感じでいつまでたっても
未来に届かなかった物語を真っ向から「否定」する総士の姿は
「これがやりたかったことなんだろうな」って感じました。

> そしてとうとうアルタイルの力を得たマークザインの強さに脱帽しました。ラスボス2体を、あんだけ戦いを嫌がっていた美羽ちゃんが下すとは思いませんでした。
> このときのマークザインはおっしゃるとおり歴代最強を冠するにふさわしいと思います。強さもさることながら美羽が「対話」のためのマークザインを駆ってきた答えがここで示されましたね。

力においても最強だろうけど、あくまで対話のための機体という
ダブルオークアンタ的な機体のように感じました。

> ここまで密度の濃い内容にしてくれたスタッフに感謝感激です。

本当に見てる時は11話で全部解決するレベルで詰め込んできやがったなって思いました。
2021/11/11(木) 21:06 | URL | せーにん #-[ コメントの編集]
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