・暴走事件の顛末
・その後の世界
・灰桜の最期が描かれた最終回でした。
■暴走事件の顛末
戦って止めるのではなく
「歌で戦いを止める」っという展開になったのですが、
灰桜一人ではなくみんなの力で何とかするあたりが
桜花ではできなくて灰桜なら可能だったことに
説得力を持たせてるのは良いなと思いました。
本作のイメージ曲である
「機械仕掛けの賛歌」は
最高のタイミングで使われたと思います。
正直この方法を使えば桜花も暴走しなかったし
もっと戦争を効率化できたと思うんですが…
戦争してる時はそういう発想も余裕も無かったんでしょうね。
全てが倫理観が破綻し狂ってしまう。それが戦争なのですから。
■その後の世界
灰桜を1話の夕霧と同じ状態にして
主人公自身に
「自分はもう壊れてる」と自覚させるの、
最後にして最高の曇らせハッピーセットをぶち込んできやがったな…って思いました。
流石20年以上も美少女を曇らせておまんまを食ってきた連中だ。面構えが違う。
終盤であれだけの騒動を起こした後もちゃんと黒猫亭が
営業で来ているあたり、人々も全ての人形が危険
ではないということが理解できたからなんじゃないかと思います。
何より黒猫亭の人形たちはあの騒動を止めた功労者みたいなものですからね
それを断罪するような人類なら、あの世界の人に未来はありませんよ。
人はどうしようもなく愚かで現実は
綺麗ごとでは済まない事を知っていますが、
同時に人ってそういう現実が嫌いで
綺麗ごとが好きなんだって思います。
でなきゃこの世はとっくに地獄ですよ。
■灰桜の最期
苦悩した灰桜が選んだのは
「初期化すること」つまりは今の自分を無かったことにして
新しい自分に生まれ変わるという事。
姿形は同じでも全く別の個体になるということで
人間で言うと
「死」を選ぶのと同意義だと思います。
ここら辺の灰桜の心境は
人のように心を持っていたとしても
やっぱり「人形」なんだと実感せざる負えない部分ですね。

ただ、本当に初期化してすべての記憶が消えたのか?
っていう部分に関してはちょっと疑問があって
①イナバに記憶を残しているのではないか?
②灰神楽が最後に何かをしていたという点から実は灰桜としての記憶を持ち越したまま
初期化できたんじゃないか?という希望もあります。
…そこらへんは視聴者の想像に任せる形になったのかな?
キネティックノベルの後日談で語られるでしょうね。きっと。
総括:プリマドール
Keyがお送りする
「ご注文は自律式機械人形(オートマタ)ですか?」お気楽な美少女アニメみたいな見た目をしていて
中身はいつも通りのKeyアニメでした。
Keyアニメって序盤は割とギャグをやってることが多いですが、
今作は
"戦後の世界を生きる兵器"というテーマを描いてるだけあって
最初から最後まで本質的にはシリアスな作風でした。

やがて壊れて失われゆく行くものに心を与える
という残酷さと儚さと美しさを描いた作品で、
最初は戦いのためなんかに生み出されたわけじゃないのに
戦争の道具として利用されたという背景を考えると、
想像してたよりも
「人の業」ってやつを感じましたね。
そう考えると終盤の灰神楽の暴走理由も理解はできるんです。

ただ本作はそんな中で歌によって人を笑顔にして
人と共に生きようとする姿が描かれていったので
重い作風でありながら、かなり
「前向き」だったと思います。

あと
「歌」をテーマの一つにしてるだけあって
人形たちの歌う楽曲は全て素晴らしかったです。
中盤まで毎週違うエンディングが流れるとか
本当に豪華な仕様だったと思います。
最後にキャラクターの感想
■灰桜
ロリ人形その1。
本作の主人公で全自動人形救済装置
誰とでも分け隔てなく接することができる
コミュ力つよつよ人形。
「分不相応の力を使って体に壊滅的なダメージを受ける」とか型月主人公みたいな生き様してましたね…
■月下
ロリ人形その2。
笑えなくなった無表情キャラ。
序盤では
戦争を捨てきれない描写があったり、
信じた人間がスパイだったりとかなり酷い目にあってたけど、
最終的に一番心境が変化したであろう人形。
飛行能力がめっちゃ便利。
■箒星
初期からいるけどメイン回が2回もらえなかった
若干不遇なポジションでしたけど、
おかげで
精神的に一番安定してたキャラでした。
鴉羽さんがアレだったので逆に彼女が一番
しっかりしてたように見えましたね。
個人的には
彼女のメイン回は本作でも一番好きなお話。■鴉羽
しっかり者のお姉さんキャラに見えて、
マスターガチ恋勢の感情激重人形だったという。
彼女のメイン回はとにかくマスターのために
奔走する内容ばかりなので、
世話焼きに見せかけた重い女だよこいつ!隙あらばマスターとイチャイチャしようと思ってる色ボケ人形。
そのためネタに事欠かなかったです。ありがとう
■レーツェル
ロリ人形その3
やたらシリアスだったメイン回以降は
ギャグ落ちするというなんかおもしれ―チョロインキャラでした。
後に後輩ポジションと妹ポジションを奪われて
枕を濡らすシーンは笑顔なしには見られなかった。
彼女をここまで壊したんだから、
灰桜は最後まで責任を持つべきだと思うのだ。
■灰神楽
ロリ人形その4
終盤に現れて終盤の騒動の中心だった人形。
理由は分かる、でも極端すぎィ!って思ったので
やっぱり彼女は何処か
「壊れてた」んでしょうね。
片割れである姉を失って自分も封印されて
正常でいろという方が無理な話ですが…
結局黒猫亭燃やしたのはなんでなんだろう?
■ナギ
ある意味本作の裏主人公とも呼べる存在。
人形によって幸福を与えられ
人形に幸福を与えようとする男。世間的に見れば危険でしかない桜花の再稼働も
彼にとっては
「家族を取り戻すこと」ですからね…
責めることはできないですし、
そもそも人間が人形を戦争に使ったのが事の発端ですからね。
なんか、少し歯車が違っていたらラスボスになっても
おかしくないポジションですよね。

ということで1クールの間、
人形たちの可愛さと歌を堪能できた作品でした。今期いろんな作品が放送されたけど
キャラクターのビジュアル面で一番好きだったのは
やっぱりこの作品です。
何よりもロリ人形率が高かったのが最大の理由なのですが。余談:
本作キネティックノベル版の発売がこの度発表されました。
前日談と後日談の話をやるようです。

それは人と人形のために歌った人形たちの物語
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